1,000件点検して見えた、
街の見え方の変化
中村美穂子さん(株式会社みんぷろ 取締役副社長)
高知市・五台山展望台ソラミアンから望む街並み
2026年11月1日に点検1,000件を達成した中村さんが、プレイして感じたことをレポートにまとめてくださいました。ご本人の了承を得て、その内容をご紹介します。
「公園だから、何かありそう」
最初は、設備を探してポイントを集める感覚だったという中村さん。何度か街を歩くうちに、見え方が変わっていきました。
「公園だから何かありそう」「次の交差点でこの設備がありそう」と、防災設備が設置されている場所を予想しながら探せるようになった。
なかなか見つからない設備に出会ったときの楽しさも、ゲームならではです。
公衆電話など、なかなか見つからない設備を発見すると「レアキャラを見つけた」ような感覚があり、楽しみながら街を歩ける点も面白かった。
歩いて分かった、設備の「ありそうな場所」
1,000件を点検する中で、中村さんは設備が置かれている場所の傾向をつかんでいきました。
- 公園:防災倉庫、ホース格納箱、消火器、井戸など、いくつもの設備がまとまって置かれていることがある
- 建物の中:AEDは屋内にあることが多く、街を歩くだけでは見つけにくい。マンホールトイレは学校の中にあることが多い
- 住宅のまわり:家の外壁などにある消火器ボックスは、場所によっては撮りにくい
プレイを重ねることで「どこに、どんな防災設備がありそうか」を自然と考えるようになることが、このゲームの面白さだと感じた。
緊急避難場所の標識。海抜と津波の到達予想時間が併記されている
「プロじゃないと分からない設備」を、みんなが知る機会に
一方で、給水拠点や土のう置き場のように、防災に詳しくないと何を探せばいいのかも分からない設備もあると、中村さんは指摘します。
「プロじゃないと分からない設備」を、ゲームを通じて一般の人が知る機会に変えることができれば、防災学習としての価値もより高まると思う。
中村さんご自身も、最初は消火栓と防火水槽の違いを知らず、マンホールを消火栓として点検してしまったことがあったそうです。こうした「何が何なのか」を知るところから始められるように。登録後の修正、写真の位置情報の活用など、ゲームの精度を上げていくための具体的なご提案もいただきました。運営では、いただいたご提案をもとに改善を検討しています。
設備の先に見えてきた、街の課題
街をじっくり歩くことで、防災設備以外のことにも目が向くようになったといいます。
地域によって、消火器ボックスが多いところとほとんど見かけないところがあること。自主防災組織の防災倉庫だと分かりやすく表示されているところと、そうでないところがあること。雑草が生い茂り利用できない公園や、今にも崩れそうな空き家など、普段は意識しなかった街の様子にも気づくようになりました。
防災設備を探すだけでなく、「この地域は防災に力を入れているな」「ここはもう少し備えが必要かもしれないな」など、地域全体の防災について考えるきっかけにもなったと思います。
高知のように津波への備えが大切な地域ならではのアイデアもいただきました。今いる場所が「海抜何メートルか」を日常的に意識できるよう、街中に海抜表示を増やしていく。ゲームを実施した地域に、防災に役立つものが実際に増えていく仕組みです。
高知市内の津波避難ビル。こうした設備も、歩いて初めて目に入る
企業で参加することの意義
中村さんが手応えを感じているのが、企業として社員を巻き込んで参加することです。
社員が実際に地域を歩いて参加することで、日常的に歩く機会が増え、健康づくりにつながる。さらに、防災設備を探すことで社員一人ひとりの防災意識も高まり、その活動自体が地域の防災力向上にもつながっていく。
「健康経営」「社員の防災意識向上」「地域貢献」を同時に実現できる取り組み。中村さんは、この3つが一度に満たせる点に、企業が参加する意味があるといいます。
もっと企業にも参加してもらえたらいいのにと思いました。
「自助・共助」のきっかけに
2026年11月2日、防災庁が発足しました。中村さんは、この節目に寄せてこう話します。
国として防災体制を強化していく大きな節目だからこそ、行政や企業による「公助」だけでなく、そこに住む住民一人ひとりが地域の防災に関心を持ち、自主防災活動などに参加していく「自助・共助」こそ、ますます大切になるのだろうと感じました。
自主防災組織の地域イベントとしての活用や、子どもと一緒に参加する親子での参加にも、可能性を感じているそうです。
中村さんの記録
| 点検数 | 1,009件(2026年11月1日に1,000件を達成) |
|---|---|
| スポット訪問数 | 0件 |
| 高知市の全国順位 | 199位(9月中旬)→ 142位(11月1日時点) |
高知市の全国順位の推移(全1,741市区町村中)
※順位は人口1,000人あたりの記録件数で算出しています。棒が高いほど上位です。
「ゲームをきっかけに街をより安全にする」へ。
街を見る視点が変わる。それが、防災チャンピオンシップの一番の魅力だと中村さんは言います。
大会は11月30日まで。あなたの街の防災設備も、ぜひ探しに出かけてみてください。12月には、優勝地域を「日本一、防災が進んでいる街」として表彰します。
ピクトレ防災チャンピオンシップ2026とは
累計16万ダウンロードのアプリ「ピクトレ」で、2026年8月1日に開幕した全国大会です。約3か月で防災設備の点検30万件超・スポット訪問71万件超(合わせて102万件超)、1,090の市区町村でユーザーが活動しています。毎週日曜の公式ライブ配信で全国ランキングを発表しており、11月30日に閉幕、12月に優勝地域を「日本一、防災が進んでいる街」として表彰します。
主催:株式会社Digital Entertainment Asset、Growth Ring Grid Pte. Ltd.
※本記事は、中村美穂子さんのプレイレポートをもとに、ご本人の了承を得て構成しました。